の声が掛けられたと思ったら

2023121416:13

の声が掛けられたと思ったら、返事も待たずにスパンと戸が開け放たれた。

 

 

 部屋へ転がり込んで来たのは、山野である。日野にて桜司郎へ報告をした後、再度甲府の様子を探りに向かっていたのだ。

 

 

「軍議中だ、一体何事──

 

「甲府城がッ、敵の手へと落ちましたッ──

 

 

 肩で息をしながらも、https://www.dailystrength.org/group/hanbee-doosuru/discussion/jiu-zhi-nijian-fu-katuteyan-hui-hetolian-reli-saretexing-tuta https://ezinearticles.com/10507734 https://lolengine.net/blog/2011/12/14/understanding-motion-in-games#comment-7835 一息に告げられたその言葉に、誰もが目を見開く。重い静寂が部屋を包んだ。内心、喜んだのは桜司郎くらいだろう。

 

 

「ほ、本当か!?一体どうしてこんなに早く、」

 

──だから早急に向かう必要があると言ったんだッ!!」

 

 

 驚きの声を上げる原田を押しのけるように、永倉の怒号が響いた。

 

 その矛先は、言わずもがな大将である近藤へと向けられる。

 

 

「俺は言ったよなッ!早く向かわねえと、敵に取られちまうと!」

 

 

 それは今までに無い程の怒り様だった。彼は彼で、この戦に新撰組の未来を賭けて居たのかもしれない。「落ち着け、永倉さん。今更過去のことをどうこう言っても後の祭りだ」

 

 

 今にも掴みかからんばかりの永倉を、山口が抑える。

 

 

 片や近藤は厳つい顔を歪ませ、わなわなと震えていた。思い描いていた展開が、彼の中で大きな音を立てて崩れ始める。

 

 いくら助言があったとはいえ、内藤新宿で盛大な宴を開き、その上故郷や日野で足を止める最終判断をしたのは近藤だった。

 

 

「近藤さん、この不始末はどうするんだッ」

 

 

 永倉は尚も怒り冷めやらずに吠え続け、近藤は返す言葉も無いと言わんばかりに閉口している。空気だけが重くなっていた。

 

 そこへやや高い声が響く。

 

 

──お、恐れながらッ。甲府城に詰めている城代は、戦わずして勝手に城を明け渡したのですよね。淀藩のように既に懐柔されていたのかも知れません。行っていたらどうなっていたか……。もはや、この戦は引くべきかと……!」

 

 

──お願い、そうすると言って……!!

 

 

 桜司郎は頭を下げながら、必死に撤退を訴えた。そこへ便乗するように、山野が甲府城下の様子を伝える。どうやら敵は土佐藩のという男が大将格であり、地元の人間からは評判も良いらしい。

 

 おまけに最新の武器と、甲陽鎮撫隊の数を優に超える洋式の軍隊を率いていた。

 

 

 全てにおいて此方が劣っており、刃を交えたところで結果は目に見えている。

 

 

 

……榊の言う通りだ、ここは一旦引こう」

 

 

 そこへ、影の協力者となった土方が追い風を立てようとした。それを受けてか、室内は撤退へと傾いたように見える。

 

 

 

 

 少しの間の後に、漸く近藤が口を開く。「──否、引かない」

 

 

 その言葉に皆が目を見開く。ただ、永倉と原田だけが真意を測るような視線を送っていた。

 

 

「引けぬ。引く訳には行かぬのだ……

 

 

 それはまるで己へ言い聞かせるように、何度も呟かれる。

 

 

「近藤さん、もう勝ち目は限りなく薄い。無闇矢鱈に大事な兵を失う訳にゃいかねえよ」

 

 

 諌めるように、けれども言葉を選んで土方が穏やかに語り掛けた。今までは戦局の見極めを土方が行い、近藤は最終決定を下していた。今回もその彼が撤退を推しているのだ、それに従うだろうと誰もが思った。。忘れたのか、我らは幕府から直々にこの甲陽鎮撫隊の命を賜った。そして城を落とした暁には慶喜公が入城され、この俺が城主に………。君もそれを喜んだじゃないか」